外科

専門分野のご紹介

ご紹介

診療内容

 消化器、乳腺、腹壁の疾患等を対象に手術治療・化学療法(抗がん剤治療)を行っています。
 消化器疾患は、消化器病センター外科として、消化器病センター内科(消化器内科)と連携し、最適な治療法を選択しています。
 乳腺疾患は、乳腺センターを設置し、多職種でのカンファレンスを行い個々人にあった最適な治療を提示し、実施しております。特に、腹腔鏡下手術に力を入れており、院内に内視鏡手術トレーニングセンターを設置、全手術例の約半数、大腸癌においてはここ数年90%以上の症例を腹腔鏡下に実施しております。
 また新たな取り組みとして、鼠径ヘルニアの手術でライフスタイルに合わせた短期間入院パスを開始しました(例:金曜日 朝 入院、当日手術、日曜日 朝 退院)。尚、外来で麻酔科術前診察を予め受けてもらう必要があります。

 当院外科は神奈川県でも有数の手術件数(1,400-1,500件/年)を誇っています。地域連携がん拠点病院としてまた、地域医療支援病院として定時手術だけでなく、年間約300件の緊急手術にも対応しております。
 横須賀・三浦医療圏で安心して手術が受けられる病院であり続けるため、スタッフ一同日々研鑽を積んでおります。

主な取り扱い疾患
消化器疾患 乳腺
食道癌 胃癌 胃粘膜下腫瘍 乳癌
結腸癌 直腸癌 肝癌(原発・転移) 乳腺良性腫瘍
胆嚢癌 胆管癌・乳頭部癌 膵癌 乳癌検診要精査例精査
胃十二指腸潰瘍 結腸憩室症 虫垂炎  
胆嚢結石症ポリープ 胆嚢ポリープ 胆嚢炎  
痔核 痔瘻 腹壁ヘルニア など  
手術実績
手術年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
乳癌切除(温存・乳房切除) 125 131 116 161 136
  (内、一時再建) (8) (7) (4) (2) (5)
乳腺その他 11 7 7 12 13
食道癌切除 8 8 9 5 1
胃癌 全摘術 46 31 40 32 17
  (内、腹腔鏡下手術) (14) (4) (6) (5) (2)
胃癌 幽門即位切除術 88 55 52 47 49
  (内、腹腔鏡下手術) (40) (29) (29) (23) (30)
胃癌 噴門側胃切除術 11 2 1 7 5
  (内、腹腔鏡下手術) (8) (0) (1) (6) (5)
胃癌切除その他の術式 2 2 1 4 1
胃癌 パイパス術 腸瘻 4 4 3 1 5
残遺癌 残遺全摘術 0 3 3 5 3
胃粘膜下腫瘍(GIST含) 0 5 3 3 6
  (内、腹腔鏡下手術 LECS含) (0) (4) (3) (1) (4)
結腸癌切除術 167 164 175 176 137
  (内、腹腔鏡下手術) (86) (94) (152) (159) (136)
直腸癌前方切除術 50 61 83 65 63
  (内、腹腔鏡下手術) (46) (52) (81) (65) (63)
直腸切断術 11 0 0 2 0
Hartmann手術 2 2 3 17 12
腹腔鏡下骨盤内臓全摘術 1 1 4 3 1
大腸癌非切除人工肛門造設 24 34 24 22 21
原発性肝癌 11 17 18 18 18
  (内、腹腔鏡下手術) (4) (4) (6) (5) (8)
転移性肝癌 11 15 35 20 19
  (内、腹腔鏡下手術) (2) (5) (9) (8) (10)
胆嚢癌 3 3 6 3 6
胆道癌 十二指腸乳頭部癌 12 6 3 4 5
膵臓癌切除 13 6 10 7 11
  (内、PD) (9) (2) (6) (3) (5)
  (内、DP) (4) (4) (4) (4) (6)
胆嚢結石症・ポリープ 176 180 190 178 199
  (内、腹腔鏡下手術) (156) (170) (164) (163) (184)
総胆管結石症 5 3 2 4 1
虫垂炎 61 78 48 73 81
  (内、腹腔鏡下手術) (5) (21) (25) (61) (79)
ヘルニア 226 253 168 225 213
  (内、腹腔鏡下手術) (39) (57) (27) (29) (37)
その他手術 307 408 487 410 372
総手術件数 1,375 1,479 1,491 1,504 1,395
診察の受け方

 可能なかぎり、かかりつけ医より紹介状を記載してもらい受診して下さい。
 かかりつけ医から地域連携室を経由して紹介いただいた場合には、予約受診も可能です。詳細は地域連携室に直接ご相談下さい。

鏡視下手術

 鏡視下手術には腹腔鏡下手術、胸腔鏡下手術などの体腔内手術の他、泌尿器科領域の腎臓手術のようにスペースを作成しながら行う手術、整形外科領域や耳鼻咽喉科、脳神経外科領域のより狭いスペースで視野を確保しながら行う手術など多岐にわたります。
 ここでは、特に腹腔鏡下手術について優しく解説します。ロボット支援手術に関しては泌尿器科のページをご覧ください。

1)腹腔鏡下手術の説明

腹腔鏡下手術は、おなかにポートを留置し、二酸化炭素で腹腔を膨らまし、細いカメラを挿入して、TV画面を見ながら同様に腹壁に留置したポートから細い鉗子や手術器具で、剥離、切開、止血などの手術操作において直接手を触れずに行います。摘出した検体を取り出すために、4-5cmの切開を開けますが、吻合は腹腔内で行います。基本的には通常の開腹手術とほとんど同じです。

2)長所・短所

長所
傷が小さく痛みが少ない
早期のリハビリ、食事摂取により早期退院
カメラの高性能化による拡大視効果で細かい操作が可能

短所
手術習得に時間を要する。
手術時間が開腹手術より長くかかることがある。
触感が開腹手術と同じではない。
腹腔鏡特有の合併症がある。

3)手術実績

 当院では1991年、腹腔鏡下胆嚢摘出術を開始。現在は胆嚢摘出術だけでなく、胃癌、胃十二指腸潰瘍穿孔、結腸癌、直腸癌、肝癌(原発性・転移性)、膵体尾部切除、小腸部分切除、人工肛門造説、ヘルニア根治術などで腹腔鏡下手術を導入しています。特に大腸癌(結腸癌、直腸癌)では年々腹腔鏡下手術数の割合が増え、2017年は95%以上の症例を腹腔鏡手術で行っています。


鏡視下手術の機器類
2017年 腹腔鏡手術実績(700例)

主な術式
胃癌 37例(全摘2、幽門側切除30、噴門則切除5)
胃粘膜下腫瘍 4例
胃・十二指腸潰瘍穿孔 5例
結腸癌 136例
直腸癌  63例
腹腔鏡下Hartmann手術 3例
腹腔鏡下骨盤内臓全摘術 1例
腹腔鏡補助下人工肛門造設術 40例
腹腔鏡下肝切除術 18例
腹腔鏡下膵体尾部切除術 1例
腹腔鏡下胆嚢摘出術 184例
腹腔鏡下虫垂切除術 79例
腹腔鏡下ヘルニア手術 37例
腹腔鏡下腸閉塞症解除術 30例