薬剤科


お知らせ

2024年10月24日・・・FAXコーナーについてのご案内を更新しました
2024年7月18日・・・当院医薬品フォーミュラリーー覧を更新しました

薬剤科紹介

【薬剤科理念】

「患者さんのため」

【体制】

・スタッフ
  薬剤師 46名
  薬剤アシスタント 2名
  事務員  1名
  臨床研究管理室事務員 1名

【認定等取得状況】
日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師 1名
がん薬物療法認定薬剤師 4名
がん薬物療法専門薬剤師 1名
病院薬学認定薬剤師 10名
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師 1名
外来がん治療専門薬剤師 1名
薬学協議会 認定実務実習指導薬剤師 1名
日本臨床栄養代謝学会 栄養サポートチーム専門療法士 3名
日本くすりと糖尿病学会 糖尿病薬物療法認定薬剤師 1名
日本糖尿病療養指導士認定機構 日本糖尿病療養指導士 3名
日本アンチ・ドーピング機構 スポーツファーマシスト 1名

・その他
 日本DMAT隊員 1名

【研修施設認定等】

・日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師研修事業 研修施設
・日本臨床腫瘍薬学会 がん診療病院連携研修病院

【薬剤部長あいさつ】
薬剤科部長 小林 路子

 目指すはワンチーム!

 当院は、高度急性期医療を担う病院で1日1,800名ほどの外来患者さまをお迎えし、入院患者さまも日々600名ほどいらっしゃいます。入院患者さまの平均在院日数は10日をきるほどで、私たち薬剤師がお一人の患者さまと接することが出来るのは、患者さまにとっては、ほんの一瞬に過ぎない時間です。そのような短い時間でも、「くすりの専門家」として患者さまお一人お一人にとって安心・安全・高品質な治療が継続出来るように精一杯、職能を活かしたいと思っています。
 以前は、一つの医療機関の中で治療が完結する時代でしたが、昨今では医薬分業、また地域医療構想などが構築され、医師や看護師、栄養士などの様々な職種はもちろん、近隣の病院等の医療機関や保険薬局が連携して、お一人の患者さんを皆でサポートすることで、より継続可能な安心な医療の提供を目指す時代となって来ました。当院における薬物療法は、たくさんの医療機関の方の支えがあってこそ、安心・安全・高品質を保つことが出来るのだと思っています。今後ますます連携を深め、地域ぐるみのワンチームで患者さまの幸せのため尽くしたいと思います。

薬剤科部長 小林 路子
(旧姓 土井)

【診療目標】

1.医薬品の適正使用の確保に努める。
2.医薬品の安定供給と品質を確保する。
3.医薬品情報を収集、整理、提供する。
4.よりよい医療を目指し、技術と知識の向上に努める。
5.他の医療関係者と協力し、患者さんのために職能を発揮する。

業務紹介

外来・入院調剤
外来・入院調剤
外来は原則院外処方としているため、主に入院患者さんの調剤を行っています。オーダリングシステムによる調剤支援システムを利用することで、重複投与や相互作用を確認して安全管理に努めています。また、入院中自分でお薬の管理ができない患者さんの場合には1回分ずつセットする業務も行っています。

注射薬調剤
注射薬調剤
医師が電子カルテで処方した入院患者さんの注射薬の投与量や投与経路、配合変化などを薬剤師がチェックしています。毎日、翌日分の注射薬を患者さんごとに個別セットを行い各病棟へ払い出しています。また、外来化学療法の注射薬も個人別セットを行い払い出しています。注射薬自動払出しシステム(ピッキングマシン)を導入しており安全性の向上・業務の効率化を図っています。

入院化学療法
入院化学療法
入院してがん化学療法をうける患者さんの抗がん剤(注射薬)を毎日調製しています。抗がん剤は目や皮膚にふれると炎症をひきおこすなど強力な作用をもつものが多く、当院では薬剤師が専用の設備で安全かつ衛生的に調製をおこなっています。また患者さんがより副作用が少なく効果的な化学療法をうけられるように、年齢・身長・体重・検査値等を薬学的に考慮した処方内容のチェックなどをおこない、必要があれば医師への処方提案などをおこなっています。

外来化学療法
外来化学療法
平日に、外来でがん化学療法をうける方の、抗がん剤(注射薬)を調製しています。入院化学療法と同様に、処方内容のチェックなどをおこない、必要があれば医師への処方提案などをおこなっています。さらに患者さんが安心して化学療法をうけられるよう必要に応じてがん薬物療法認定薬剤師が、ベットサイドにて抗がん剤の効果・予想される副作用とその対策などの説明をおこなっています。

注射薬混合調製(TPN、NICU)
注射薬混合調製(TPN・NICU)
入院患者さんのなかには病気の状態によって食事がとれず、必要な栄養素を点滴で摂取するしかない方がおられます。そのような方のために当院では医師の処方に基づいて、1日に必要な栄養素を含んだ点滴を薬剤師が混合調製しています。その対象は大人だけでなく早産などで新生児集中治療室(NICU)にて治療をおこなっている未熟児などの赤ちゃんも含まれます。
栄養素に富んだ点滴は細菌に汚染されやすいため、注射薬を混合している時に細菌が混入しないよう無菌的な設備で混合調製をおこなっています。また必要な栄養素は患者さんの状態によって異なるため、検査値など薬学的観点から処方内容のチェックをおこない必要があれば医師への処方提案などをおこなっています。

病棟薬剤業務
病棟薬剤業務
全ての病棟に薬剤師が常駐しており、入院患者さんに適切な薬物療法がおこなわれるよう様々な業務をおこなっております。
その例として
  • 普段服用しているお薬(持参薬)の確認、副作用歴、アレルギー歴、健康食品摂取等の情報収集
  • お薬の効能効果、服用や使用方法、注意事項、予想される副作用等の説明
  • 処方されるお薬を使う前に患者さんの状態に適切かどうか、のみ合わせに問題がないかなどの確認
  • お薬の効果がでているか、副作用などがでていないかの確認
  • 病棟活動で収集された患者さんの情報を医師・看護師と共有し、必要があれば処方提案などをおこなう
  • 退院後も問題なくお薬を服用できるよう患者さんへの説明や調剤薬局との連携
  • 病棟におかれている薬剤の品質、有効期限、保管方法等に問題がないかの確認
などがあります。

治療薬物モニタリング業務(TDM)
治療薬物モニタリング業務(TDM)
同じ薬を服用しても患者さん個々によって、お薬の効果や副作用が同じに出るとは限りません。それは、それぞれの体質やその時の体調に影響されるからです。患者さんに安全で有効的な治療をうけて頂くために、血液中の薬の濃度を測定し、それを解析することで、個々の患者さんに合わせた最適な薬物療法(最大限の効果と最小限の副作用)が実施されるように、医師と協力して薬の適正な投与量の設計を行っています。

院内製剤業務
院内製剤業務
お薬のなかには治療上必要なものでありながら市販されていないものがあります。例えば外国では効果が認められ市販されていても日本国内ではまだ市販されていないお薬、市販されている形状では治療に使えない・使いにくいお薬などです。当院では医師の求めに応じ薬学的観点から有効性・安全性・安定性などを考慮しつつ、そのようなお薬を薬剤科で60種類ほど調製しています。

治験管理業務
治験管理業務
「治験」とは、国より製造販売承認を得るために行われる新薬の臨床試験です。当院では製薬会社とともに新しいお薬の開発に協力しています。医療機関における治験を実施するチームの一員として、薬剤師が専門的な立場から治験担当医師の業務の支援、治験薬の適正な保管管理、治験を実施するための計画書に従って治験薬が適正に投与されているかの確認などをおこなっています。
(詳細は、ホームページ内の治験管理室をご覧ください。)

PFM(Patient-Flow-management)業務
PFM(Patient-Flow-management)業務
患者さんの入退院情報管理を一元化することで効率よく病床運用を行うためのシステムです。その中で薬剤師は、入院することが決まった患者さんと面談して服用している薬の確認をします。
たとえば、患者さんが服用している薬の中に手術や検査などで入院する前から休薬を必要とする薬があるとします。それに気が付かないで入院された場合に、手術などが延期になる、入院期間が長くなるというような事態が生じるとも限りません。そのようなことが無いように薬剤師が現在、服用している薬を確認します。また、病棟の薬剤師に入院前から薬の情報を伝え安全な薬学的管理ができるように手助けしています。この入院前の面談に欠かせないのがお薬手帳です。診察を受ける際は必ずお薬手帳をご持参ください。

DI業務(医薬品情報管理)
DI業務(医薬品情報管理)
医薬品に関する各種情報を収集・整理・保管し、専門的評価を行った上で医師や院内医療従事者ならびに患者さんへ提供することで、良質かつ適正な薬物療法の発展を図り、医療の向上と安全に役立てています。
1)薬事委員会への参画
最新のDI情報を収集評価し、薬事委員会において採用薬申請の審議を円滑化できるよう図っています。また後発医薬品(ジェネリック)への切り替えについても品質評価や経済性などを検討し推進しています。
2)安全性情報と適正使用に関わる情報提供
厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)などから提供される緊急安全性情報や適正使用に向けた情報について院内へ提供を行っています。また迅速な対応が必要な場合には、処方状況を把握し必要な対策を講じる体制を整えています。
3)副作用報告
医薬品に係る副作用報告を収集評価して、PMDAや製薬企業へ報告しています。
4)病棟薬剤業務との連携
収集したDI情報を病棟担当薬剤師へ提供し、各病棟スタッフに対し周知が行えるよう連携しています。病棟で発生した副作用は担当者よりDI室へ報告され症例集積しています。DI室では病棟薬剤師に向けたDIカンファレンスを定期的に開催し、院内副作用症例の共有や最新のDI情報を提供しています。

チーム医療への参加
チーム医療への参加
チーム医療とは多種多様な医療スタッフがチームを組み、各々の専門性を発揮しながら連携することで患者さんにとって最も効果的な治療方針などを提供する医療現場の取り組みです。
当院の薬剤師は以下のチーム医療に携わっています。
  • 感染制御チーム(ICT):病院内で発生しうる感染症の予防対策を担当
  • 抗菌薬適正使用チーム(AST):感染症治療のサポートを担当
  • 栄養サポートチーム(NST):栄養状態に問題がある患者さんの栄養状態の改善と管理を担当
  • 緩和ケアチーム:がん患者さん・慢性疼痛の患者さんの苦痛症状をやわらげるための薬を提案
  • 糖尿病合併症予防チーム:糖尿病患者さんのより良い治療のために多職種と連携
  • 褥瘡対策チーム:褥瘡(床ずれ)の予防や治療対策を担当

手術室医薬品管理業務
手術室医薬品管理業務
手術室では、麻薬や筋弛緩薬、麻酔薬、向精神薬等適切な管理が必要な薬剤が多く使用されています。
薬剤師がカートに筋弛緩薬、麻酔薬等のセット化を行うことで効率化を図り、使用後の麻薬、麻酔薬等を確認、補充をおこなうことで、適切な薬剤管理に取り組んでいます。

薬科大学学生実習・卒後研修
薬科大学学生実習・卒後研修
当院でも薬学部長期実務実習(5年生)の受け入れを行い、薬学教育モデル・コアカリキュラムの目標を達成できるように日々のカリキュラムを組んでいます。特に病棟業務・チーム医療への参加をメインにし、より実際の業務に近い実習を行っています。また病院・診療所・薬局実務者講習会にも入職から早い段階で参加し、他施設との業務体系や取り組み方の違いを経験・共有してもらう試みも行っています。