整形外科

ご紹介

診療内容

 四肢(手、足)や脊椎(頚、背中、腰)など、人間が体を動かすのに必要な器官を「運動器」と言います。この運動器に生じる様々な障害や外傷を治療し、「より快適に動ける」ようにできるだけお手伝いするのが我々整形外科医の役割です。具体的には骨折や捻挫などの外傷、頚や腰の痛み、関節痛や手足のしびれなど、非常に多彩な症状を対象としています。 当院は、創立100年を超える横須賀三浦半島地区の基幹病院であるため、重症の内科的合併症(心疾患や透析など)を持った患者さんの整形外科的治療も多数行っています。また救命救急センターも併設する三次医療機関であるため、他院では治療困難な重症の多発外傷や脊髄損傷などの患者さんも搬送されてきます。救急部との連携も取りながら、夜間・休日の緊急手術にも対応しています。病院全体では年間約10000台の救急車を受け入れているため、整形外科での骨折手術件数も600件以上となっています。また、昨今の高齢化社会の到来に伴い、高齢者の変性疾患に対する治療の必要性も高まっており、脊椎や関節などの慢性疾患でお悩みの患者様が数多く紹介されていらっしゃいます。
 脊椎外科領域(対象疾患はこちら)では、各種の神経ブロックを中心とした保存的治療を行い、大多数の患者さんで改善が見られています。改善のみられなかった患者さんや、特に障害の強い患者さんに対しては、様々な手術法を使い分けて治療を行います。術後は早期に(ほとんど翌日から)歩行を開始するため、入院期間は1~2週間と短くなっています。手術が必要なほど重症な場合には、高齢の方でも積極的に手術を行っています。
 関節外科領域では、膝や股関節の変形性関節症の治療が多くを占めます。種々の治療を受けた後に紹介されてくる患者さんが多いため、根本的な治療として手術を希望される場合がほとんどです。最近では機械の進歩や手術前後の麻酔管理などが発達したため、80歳代の方でも人工関節置換術を行う場合も増えています。原則として翌日から積極的にリハビリ(歩行練習)を行うため、入院期間も2~3週間となっています。
 すべての外傷や変性疾患に対する治療方針はカンファレンスにてスタッフ全員で検討し、手術やその他の治療を決定しています。2020年は新型コロナウィルス感染症対策のために慢性疾患に対する手術を一時控える必要がありましたが、それでも1100件以上の手術を行いました。内容は非常に多彩ですが、主なものを挙げると以下のようになっています。現在はコロナ対策を十分に行いながら、通常の診療体制で治療を行えておりますので、安心してご来院ください。

手術実績
内容 2020年度
脊椎(頚・胸・腰椎) 146件
関節形成術(人工関節・人工骨頭)  169件
骨折観血的手術 630件