乳腺センター|専門分野のご紹介

 

 乳がんは近年急速に増加しているがんであり、女性では、罹患数(病気にかかる人の数)は第1位、すべてのがんのうち死亡数は第5位です。当院では、増え続ける乳がんの患者さまに対し、乳がんの標準治療(多くの証拠を積み重ねた、最も効果が証明された治療法のことです)を提供すべく、2016年度より乳腺センターを開設し、診療にあたっています。

 治療は、手術療法、薬物療法、放射線療法がありますが、それぞれの患者さまの、病状、生活スタイル、仕事、などご希望に配慮して、最もお役に立てる治療を選択するようにしています。また当院には実績のある診療科が多くありますので、他の診療科とも連携し、乳がん以外の病気を持った患者さまでも、安全に治療が受けられるように配慮しています。

 手術療法は、昨年は164件の乳がん手術を行っており、皆さん元気に退院されています。乳房の一部のみを切除する乳房温存手術や、形成外科と協力して乳房全摘後に二期的に乳房を再建する手術など、患者さまと相談し治療方針を決定しています。

 薬物療法は、副作用の強い抗がん剤から、比較的負担のすくないホルモン剤までさまざまな乳がん治療薬が存在しますが、病気の進行を抑えながら、患者さまが毎日気持ちよく生活できるということを大切にして薬剤の選択を行っています。

 診断の難しい早期の乳がんに対しては、ステレオガイド下マンモトーム生検やエコー下吸引針生検などを積極的に行い、早期のうちから適切な治療につながるように力をいれています。

 今年度、トモシンセシス(一種の断層写真)の撮影が可能なマンモグラフィを導入しました。マンモグラフィで診断の難しい高濃度乳腺での診断精度の上昇につながると期待されます。

 乳腺センターでは、チーム医療を積極的に推めており、医師・認定看護師・薬剤師・放射線技師など多職種でカンファレンスを行っています。不安な気持ちの患者さまに対して、安心して治療に向き合うことができるように心がけています。抗がん剤治療が必要な方は、専門の化学療法室で治療を行います、治療中に不安に感じていること、身体で気になっていることなど、看護師および薬剤師にお気軽にご相談下さい。抗癌剤治療中の食事内容に関して管理栄養士への相談も可能です、希望があれば看護師にお声をお掛け下さい。

 三浦半島、ひいては神奈川県において、患者さまが安心して乳がんの治療を受けることができるよう、努めて参りますので、宜しくお願い申し上げます。

FAD
US下マンモトーム
カンファレンス