肝胆膵外科は肝臓、胆道(胆嚢、胆管)、膵臓の悪性腫瘍(がん)、炎症性疾患などに関して手術を中心とした治療を提供しています。地域の中核病院として進行癌に取り組む一方で、傷の小さな腹腔鏡手術も積極的に導入し、患者さんに優しい治療を目指しています。
肝臓悪性腫瘍を中心に2002年1月から2017年12月までの16年間に累積518例(年間平均約30例)の肝切除を施行してきました。手術件数は年々増加傾向にあり、2015年は年間55例でした。2010年から保険収載されました腹腔鏡下の肝切除も適応を限定して施行しており、最近では約40%が腹腔鏡下に行われ、患者様の術後平均在院日数は7日間となっております。開腹肝切除、腹腔鏡下肝切除術施行の場合には、肝臓の造影CTを撮像し3次元画像構築による手術シミュレーションを綿密に行い、手術の安全性、根治性を高める取り組みを行っております。
膵切除は、膵臓悪性腫瘍、一部の胆道悪性腫瘍に対して上記16年間に累積234例(年間平均15例)が施行されております。こちらも2012年の保険収載の後一部の適応疾患に対して腹腔鏡下膵切除が行われており、今後も症例の増加が見込まれます。腹腔鏡下膵切除を受けられた患者様の平均在院日数は8日間となっております。
胆嚢の良性疾患(胆嚢結石症、胆嚢炎、胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋症など)は腹腔鏡手術の良い適応であります。過去16年間に累積2,808例の胆嚢摘出術(年間約170例)が行われ約80%が腹腔鏡手術となっております。対象疾患、患者様のご年齢などを考慮して一部の方に対してはより傷口の少ない単孔式腹腔鏡手術も行っております。