口内炎

口内炎への対処法

【観察】

唇の裏側、ほおの粘膜、舌の周囲(側面)の粘膜は口内炎が起こりやすいので、よく観察しましょう。


【うがい】

口の中を清潔に保っておくことは、口内炎の予防や重症化を避けることに役立ちます。口の中の細菌状態は、うがい後2〜3時間程度でもとの状態に戻ってしまうので、うがいは頻回に行うことが大切です。

回数

口の中を清潔に保つためのうがいを効果的に行う目安は、約2時間ごとですが、最低1日3回は行いましょう。特に細菌数が増加するタイミングに合わせて、起床時、食前、寝る前は重要です。


うがい液
  • イソジン®ガーグルなどの消毒薬を用いてもよいですが、口腔内の細菌状態は、水道水で行ってもイソジン®ガーグルを用いても2、3時間ほどたつと同じような状態にもどるので、苦痛が少なく継続できる方法を選択するとよいでしょう
  • メントールやアルコールが含まれている市販のうがい薬は、避けたほうがよいでしょう(乾燥を防ぐ、粘膜炎後の上皮化を阻害することを防ぐためです)
  • 生理食塩水でうがいをすると刺激になりにくいです。

※生理食塩水の作り方
①500mLのペットボトルを用意して水でよく洗浄します。
②4.5gの食塩(小さじ1杯)をペットボトルに入れて水で満たします。
③ペットボトルのふたを閉めてよく振ります。食塩が溶けると生理食塩水のできあがりです。
*清潔のために作った日のうちに使い切るようにしてください。


【歯磨き】

口の中をきれいにしておくことは、口内炎の重症化をさけたり、感染の予防になります。

回数
  • 毎食後、就寝前の1日4回行います。
  • 食事をしていなくても歯垢(しこう)が歯につくので、1日1回は行います。

歯ブラシ、歯磨き剤
  • 柄がまっすぐ、ヘッド(毛のついた部分)が小型のブラシを選びます。
  • ブラシの毛はやわらかめのナイロン製(「やわらかめ」と表示されている商品)を選びます。
  • 通常の歯ブラシの届きにくい奥歯の掃除や、痛みなどで口が開けづらい場合には「部分みがき用ブラシ」を使うとよいでしょう。
  • 歯磨き剤はメントールやアルコールが含まれていない低刺激性のものを選びます。
    *痛みが強い場合は歯磨き剤や洗口液は使わず、生理食塩水だけで歯磨きをしてください。
    *無理に歯磨きせず、水や生理食塩水でゆっくりブクブクうがいをしてもよいでしょう。

入れ歯の扱いかた

入れ歯が口内炎の部分に接触する可能性があるため、食事のとき以外は外すようにしましょう。

手入れの注意点
  • 凹凸になっている部分には細菌などが付着しやすいので、常に清潔に保ちましょう。
  • 入れ歯の裏面(粘膜に接する面)や部分入れ歯の留め金は特に汚れが付きやすい部分です。


  • 保管する際には専用の保管容器を用い、日常で使っている湯呑みやコップなどを使わないようにしましょう。
    *入れ歯は毎食後、入れ歯専用ブラシを用いてしっかり洗ってください。
    *ブラシだけでは汚れは取れません。就寝中は水と洗浄剤を入れた保管容器につけておきましょ
【食事】

口内炎ができると、痛みで食べることが難しくなりますが、口内炎の症状を悪化させないためにも栄養を十分にとることが大切です。食べ物や食べ方など、食事を工夫することで痛みをやわらげることができます。

食事の工夫
  • 炎症部位への刺激を少なくするために、熱いものは避けて人肌程度に冷ましてから食べましょう。
  • 塩分や酸味、香辛料など刺激の強い食べ物は控えましょう。
  • 食べやすいようによく煮込んだり、とろみをつけたり、裏ごししたり、ミキサーにかけるなどして工夫しましょう。
  • 痛みが強い場合には、バランス栄養飲料(濃厚流動食)や栄養補助食品などを利用しましょう。
  • 口の粘膜を刺激するため、お酒やタバコは控えましょう。