末梢神経障害への対処法
【末梢神経障害の起こる時期】
治療直後または数時間後に起こったり、薬剤によっては数週間から数か月後に起こったりします。がん化学療法が長く続くと、持続的な痺れや痛みとなることがあります。症状が軽ければ半年から1年で治まりますが、症状が進行した場合は長期にわたり痺れや痛みが続きます。症状が進行すると回復にも時間がかかるため、症状が軽いうちに主治医に相談しましょう。
【末梢神経障害の起こる時期】
●しびれ・感覚の違和感
- ジャリの上を歩いているみたい
- スリッパを履いていて、脱げても分からない
- 長時間正座したみたい
- 手足に麻酔がかかっているみたい
- 足の裏に1枚皮が被っているみたい
●動作の違和感
- 洋服のボタンがはめにくい
- 歩きにくい
- 包丁が持ちづらい
- リモコンが操作しづらい
- コップやお茶碗を落としてしまう
- 缶のタブやペットボトルのふたが開けづらい
- 椅子から立ち上がりにくい
- 階段が登りにくい
- 歩くとつまずいてしまう
【日常生活の注意点】
●温める- しびれている部分をお湯につけてみましょう。冷え切っている場合、実際の温度以上に熱いと感じるため、注意しましょう。温度によっても違いがあり、40℃くらいのお湯では痺れを強く感じる場合があります。
- 手袋や靴下を着用し、保温しましょう。夏場でも素足でいるのは避けましょう。靴下は足を締め付けない・滑りにくい物を選びましょう。
●手指の運動やマッサージをする
- 手を握ったり開いたりする運動や、自分が気持ちいいと感じる範囲のマッサージを行いましょう。
- タオルを丸めた物やスポンジを活用しましょう。丸めたタオルやスポンジボールを握ったりすることで、血液の流れも良くなり、こわばりの予防にもなります。
- ボタンのない服や、ボタンのはめやすい服を着る
- 保温性のある物を身に付ける
- スリッパは脱げにくい物を選ぶ
- 締め付けない靴下や靴を履く
- 靴は試着してから購入する
●身の回りの整頓
- 小さな段差にも注意する
- つまずきそうな物を床に置かない
- カーペットは滑りにくい物にする
- 包丁の代わりにピーラーを使う
- 最初からカットされている野菜を利用する
- 熱い物には直接触らず、鍋つかみや水温計を利用する
- ゴム手袋を使う
- 食器洗いは温水で
●その他
- 適切なケアを続けていくために、症状の部位や程度を観察しましょう。あざや傷に気付かないこともありますので、入浴時などに全身をチェックしましょう
- 低温やけどに注意しましょう。感覚が鈍っていると気づきにくいため、カイロの長時間貼付を避け、ストーブのそばに長時間いないようにしましょう。
- 重たい物を持たないようにしましょう。カートを利用したり、家族の方に持ってもらいましょう。
- 深爪に注意。しびれていると深爪になってしまうことがあります。
- 日常生活をしやすくしてくる物としてユニバーサルデザインの道具や介護用の道具があります。(取っ手が大きくつかみやすいマグカップや手に力が入らない人でも使いやすい包丁など)