嘔気・嘔吐(おうき・おうと)への対処法
【食事】
嘔吐のある場合は、消化管の粘膜が敏感になっています。食事ごとに吐いてしまうような激しい時は、1~2食、食事は差し控えてみましょう。この場合でも水分はできるだけとりましょう。水分は、電解質バランス飲料・栄養バランス飲料・ジュースなどが体力保持によいでしょう。
食事がとれそうであれば、食べられそうなものから少量ずつ、または分割して食べてみましょう。食後は、30分くらい安静にしましょう。以下の事項を参考にしてみてください。
刺激の少ない消化のよいもの
おかゆ・うどん・もち・オートミール・パン・ビスケット・クラッカー・半熟卵プリン・ヨーグルト・ジャムなど
電解質を多く含むもの
カリウムを多く含むもの:バナナ・メロンなどの生果物、ほうれん草など野菜類
※メロンは口内炎にしみることが多いので注意
ナトリウム・塩素を多く含むもの:ブイヨン・コンソメなどのスープ類など
水分の多い果物・野菜(すいか・みかん・りんご・なし・トマトなど)・アイスクリーム・酢の物・和え物・梅干しなど
●食事の工夫
- 食べやすいように流動的なものにする
- ミキサーを利用した果物野菜ジュース・すりおろしたりんご・スープなど
- 食欲をそそるために柚子・しそ・レモンなど、ほのかな香りの利用
- ふりかけをかけたり、お茶漬けにしたり、すし飯にしたり、一口大のおにぎりにしたりなど
- 食器を小さくしてみたり、小盛に盛ったり、また惣菜は量より種類を増やすなど
【姿勢】
- 誤嚥(ごえん)をさけるために姿勢は横向きにし、全身の緊張をほぐすために膝を深く曲げたり、意識的に深呼吸などして、気分を楽にしましょう。あおむけにしかなれない場合は、顔を横に向けましょう。また、背を低くして背中をさすってもらいましょう。
- 急に動くと嘔吐を誘発することがありますので、ゆっくり動きましょう。
- 胃を安静(胃の運動を抑える)にするために胃に氷嚢などを置き、頭を冷やし、軽く目を閉じて静かにしていましょう。
【日常生活上の注意】
口の中のにおいは嘔気を誘発するので、うがいなどして清潔にしましょう。うがいは番茶、レモン水、炭酸水、氷水などでするとサッパリします。落ち着いたら氷片などを含むのもよいでしょう。
【環境の調整】
環境の調整も大切です。吐物は速やかに片づける、汚れた寝衣・寝具などは清潔なものと交換する、刺激的な香りの花を置かない、室内は静かに暗くし、時々窓を開けて空気の入れ替えをしましょう。
【心理的な補助】
心理的な要素も影響しますので、身近な人が手を触れたり、背中をさすったり、優しい言葉で不安を取り除くのもよい方法です。