高血圧について
【血圧とは】
血圧」とは、血液の圧力によって血管壁が押される力のことで、心臓から送り出される血液の量(心拍出量)と、血管の硬さ(血管抵抗)によって決まります。心拍出量が大きくなれば血圧は上がり、血管抵抗が小さくなれば、血圧は下がるという関係にあります。
【血圧の上と下】
血圧を測定すると2つの値が記録されます。いわゆる「上」は収縮期血圧(最大血圧)、「下」は拡張期血圧(最小血圧)といいます。心臓は、収縮と拡張を繰り返すポンプのような働きをすることで、血液を送り出しています。心臓が収縮したときには、血液が大動脈に送り出され、血管に高い圧力がかかります。これが収縮期血圧(最大血圧)です。反対に、血液を送り出した後に心臓が拡張して、肺などから血液を吸い込みます。このときに血圧は最も低くなり、これを拡張期血圧(最小血圧)といいます。
【高血圧は動脈硬化を引き起こす】
高血圧で最も問題なのが、動脈硬化を引き起こすことです。動脈硬化とは、血管が弾力を失ったり、血管の内腔が狭くなる状態をいいます。高血圧が続くと、血液の圧力に耐えるために、動脈の血管壁が厚くなり、血液が流れる内腔は狭くなります。また、血管が傷つくと、コレステロールなどの脂質がたまりやすくなり、さらに内腔は狭くなります。そうすると、血液の流れる抵抗が増え、血圧はますます上昇します。つまり、高血圧→動脈硬化→高血圧、という悪循環が、さらなる動脈硬化を促進するので
【動脈硬化により臓器障害を引き起こす】
高血圧による動脈硬化が原因で、生命に関わる脳や心臓の血管障害(高血圧による合併症)を起こしやすくなります。脳に関わる病気としては、脳卒中(脳梗塞、脳出血など)、心臓では狭心症や心筋梗塞など。他には腎障害などが上げられます。高血圧そのものよりも、それが原因でこのような合併症が起こり、しかも悪循環を起こすという点に、高血圧の怖さがあるのです。
【血圧の正常値】
診察室で測定した血圧が140/90mmHg以上、家庭で測定した血圧が135/85mmHg以上が高血圧
【家庭での血圧測定のポイント】
- 血圧測定のタイミング
1日2回、朝と夜に測定しましょう。1~2分座って安静にしてから測定しましょう。
朝⇒起床して1時間以内、トイレを済ませる、朝食前、服用前に
夜⇒就寝前(※食事、飲酒、服薬、入浴などにかかわらず) - 血圧計
上腕で測れる血圧計を使いましょう。血圧計には手首や指先で測れるものがありますが、上腕部の腕帯を心臓の位置に合わせて測るのが最も正確に測定できます。またいつも同じ側の腕で測定しましょう。 - 血圧測定
血圧測定は長く定期的に続けることが重要です。そのためには無理をしないことが大切です。もしも外出で測定ができない時や朝の測定を忘れた時などは、1回飛ばしてもかまいません。できるときに測定するようにしましょう。