貧血への対処法
【抗がん剤と貧血】
赤血球の寿命は120日と長いため、すぐには影響を受けません。貧血の症状は抗がん剤による治療開始後、1〜2週間後より徐々に出現します。また出現の程度は、使用する抗がん剤の量、併用する抗がん剤の種類、スケジュールに左右され、また年齢や健康状態に大きく影響されるため個人差があります。
【貧血の症状】
- 少し動いただけで息切れがする
- 疲労、倦怠感がある
- めまいがする
- 脈拍が増える、動悸がする
- 食欲不振、便秘
- まぶたの裏が白い
- 手足が冷たい
- 爪の色が白い
- 顔色が青白い
- 頭痛、頭が重い
- 耳鳴りがする
【日常生活上の注意】
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めまいや立ちくらみがあるときは、ゆっくり動き始めるとよいでしょう。
たとえば起き上がるときは、上半身を起こし、一息ついて起き上がるなど。 - 歩行は動悸や息切れのしない範囲でゆっくり行う。疲れやすい場合には、十分な休息をとってください。
- 買い物、車の運転、食事の準備などは、体調に無理のない範囲に心がけて、家族にも協力してもらうとよいでしょう。
【食事について】
- 必要な栄養素を食事からとれるよう、バランスよく食べることが大切です。
- タンパク質を多く含む食品をとりましょう。毎日の食事で卵、肉類、魚介類、牛乳・乳製品、大豆および大豆製品などバランスよく組み合わせてとるようにしましょう。
- ビタミンB12は正常な赤血球をつくるためになくてはならないものです。
●ビタミンB12を多く含む食品例●
牛・豚・鶏のレバー
さんま・にしん・いわし・さばなどの魚類
かき・あさり・しじみなどの貝類
卵黄
チーズなど
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よくかんで食べましょう
よくかんで食べると、胃酸の分泌がよくなります。食品中の鉄やタンパク質など、血液の材料になる栄養素が効果的に利用されるために、胃酸は大切な役割を果たしています。胃酸は胃液のなかに含まれていますが、胃酸の分泌が少ないと食欲も減退して、必要な栄養素も消化吸収されにくくなるのです。