糖負荷試験(75gOGTT)
糖尿病は血糖を下げるインスリンというホルモンの分泌が減ったり、働きが悪くなったりして、血糖の高い状態が続く病気です。多くの場合複数の遺伝因子(体質)に食べすぎ、運動不足、肥満、ストレス、加齢などが加わって発症します。
高血糖が持続すると、網膜・腎臓の小さな血管や全身の動脈硬化が起こり、失明、腎透析、末梢神経障害などつらい合併症が発生します。
初期の糖尿病や糖尿病の前段階では症状に乏しく、気付かれないこともあります。
糖尿病の診断は空腹時血糖やHbA1cという血液検査でされることが多いですが、糖尿病の前段階には、空腹時血糖は正常ながら食後血糖が高い時期があります(耐糖能異常)。また、糖尿病とはいえない程度に空腹時血糖が上昇している時期があります(空腹時血糖異常)。このような、正常ではないけれど糖尿病とはいえない段階(境界型)で、既に動脈硬化は始まり、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの危険性が高まります。
この時期から食事や運動などに気を付け、必要に応じて薬物治療を受けられると、糖尿病に進行するのを抑えることができ、動脈硬化も進まないようにできます。
この、境界型を発見できるのが糖負荷試験です。
糖負荷試験(75gOGTT)をおすすめしたい方
耐糖能障害が起こりやすい因子を持つ方。
- 1:45歳以上
- 2:肥満
- 3:血縁の方に糖尿病の方がいる
- 4:高血圧
- 5:脂質代謝異常
- 6:以前耐糖能障害といわれた
- 7:空腹時血糖が110mg/dl以上
- 8:HbA1cが5.2%以上
検査を受けられない方
下記の方がこの検査を受けることは有害なこともありますので、受けないで下さい。
- 糖尿病と診断されたことのある方
- とても血糖が高いことが疑われる症状(口渇、多飲、多尿、やせ、倦怠感など)のある方
検査の方法
負荷試験の際インスリン初期分泌とインスリン抵抗性の評価もします。
- 10時間以上絶食で行います。(検査開始までは、水だけなら飲んでもかまいません。)
- 採血して空腹時の血糖を測ります。
- ブドウ糖75gを溶かした水を飲みます。(ブドウ糖負荷)
- 飲んだ後30分、1時間、2時間に採血して、血糖を測定します。
- 血糖の値で糖尿病型、正常型、境界型のいずれかに判定します。
- 空腹時と30分後の採血の時に血中のインスリンの値も測ります。 検査終了まで飲食・喫煙・運動は控え、椅子で安静にしていてください。
検査日について
胃の検査と同じ日にはできません。人間ドックに加えて受けられる方は翌日以降の検査となります。